セミナー2009年 | 千葉大学工業意匠科

ボンジョルノ☀︎トミタリアです。

2009年正月早々のセミナーは、
千葉大学工業意匠科で特別講義+ワークショップでした。

『L'ALTRO LATO 』と題して

L'ALTRO LATO (THEOTHER SIDE=逆サイド)と題して、
文明の利器によって得られたものの反対側に焦点を当て、
どのようにその喪失を取り戻せるかを探るプロジェクトです。

歴史的な世界経済危機の中で変化するデザイナーの役割を、
アジアの大学院生らと議論する機会にとしたいと思っていました。

アジアの大学院生たちとのワークショップは、
単純に特定のデザインを進める課題ではなく、
課題を自ら探し出してくるところから出発します
=社会や歴史と自分とのつながりをベースに、未来に何をすべきか。


残念ながら時間は不足気味でしたが、
彼らの個性あふれるアプローチによって、
僕自身も含めデザイナーの役割を真剣に話し合う
すばらしい機会となりました。

レクチャー会場は懐かしい20年ぶりのアトリエ

一方レクチャー会場は、毎日絵を描いて描いた
20年ぶりのアトリエで、聴衆は直接の後輩である学部生でした。


メディアを通して見えるデザイナー像ではない、
生身の先輩であることで、現実をあるがまま伝えたい
と思っていました。

これまでお世話になったと思い至らなかった、
当時教わった先生方や、先輩らの顔が幾つも眼に浮かび、
自分が一番感動してしまいました。

目の前の学生を見ながら
学生時代を思い出しながら伝えたいことは、


「自分のやりたい」は、
検索ツールのグーグルには載っていないということ。


自信につながるのは、

みずから足を運び
みずからの眼で確かめ
みずからの手を動かした

ことだけです。

そこに霊長脳の本来の働きがあり、人間の尊い神秘がある。

工房は移ってしまったので、
今もその場所にある6階のアトリエは、
僕のデザイン人生の神聖な出発地点です。


この度のワークショップとレクチャーは、
この聖地を再び訪れ、卒業後20年目に初心を思い出す
という意味で大変意義深かったのです。

協力して下さった教授陣、
スタッフの皆さまに今でも心より感謝申し上げます。