空間デザイン | caffè OSPITALE 植栽編

ボンジョルノ☀︎トミタリアです。


空間デザインに携わった店舗の一つで、
博多駅マイング博多名店街マイング横丁内にある
イタリアンバール『caffè OSPITALE(カッフェ オスピターレ)』
についてお話します。

caffè OSPITALE(カッフェ オスピターレ)については、
ロゴサインや看板デザインも手がけました。
この内容は、また別の機会にお話します。

移転オープン

caffè OSPITALE(カッフェ オスピターレ)

まずはじめに、
英語の「cafe カフェ」ではなく、
イタリア語の「caffè カッフェ」です。

こちらの店舗はイタリアンバールなのです。

caffè OSPITALE(カッフェ オスピターレ)は、
もともとの博多駅マイング博多名店街マイング内にありました。
その場所は、福岡や九州のお土産売り場や雑貨屋がある一角でした。

そこから、もっと博多駅中央改札口に近い、
マイング横丁というストーリートに移転オープンという形でした。

その移転先の店内空間デザインの一部をお仕事させていただきました。

店舗のテーマとイメージ

caffè OSPITALEの代表取締役社長・森﨑氏と
店舗のイメージの打ち合わせを重ねました。

主となる施工会社は決まっているので、
トミタリアは一部の内装デザインを手がけ、
総合的に空間を作り上げることとなりました。

そうして決まった店舗のテーマとイメージは ・・・

『イタリアン クラシック・モダン バール』

イタリアにあるどこか懐かしいバールのようでありながら、
博多駅というトレンドな場所にあるお店という構想です。

森﨑氏はイタリアに訪れるたびに、
「いいな」と思った看板やお店の雰囲気を写真に納めていました。
さすがですね!
その写真を参考に、私が暮らしていたイタリアのバールや
お店の雰囲気を重ねていきました。

ごく普通な下がり壁の工夫

店内の中央くらいに下がり壁がありました。

この下がり壁は面積が狭く、テーブルに着いた客席の視線に
とても近い場所です。そして、店舗の入り口や通りから、
よく見える視線の高さでもあります。

塗装された壁で何もなくても悪くはないのですが、

・店内にお客さんが入りやすいように
・テーブルに着いたお客さんがリラックスできるように


ナチュラルな雰囲気を取り入れるため、
ここに植栽を取付けることを提案しました。


↑こちら店舗に入ったお客さんの視線とほぼ同じ見え方です。

下がり壁=梁に課題発見

植栽制作は、まず取付ける場所のサイズに合わせた
木枠をネジで取付けます。
ベースとなる発泡スチロールのボードを着色、
植栽をひとつひとつ手植えしてより自然な空気感
を演出します。全体が仕上がったらネジで固定します。

実際現場で、木枠のサイズを「縦×横×奥行」と測ります。
測って木枠を作ったのは良いのですが・・・


今回の下り壁すなわち梁には、配管が2箇所あり、
木枠と干渉しています。

課題:長方形の木枠をすんなり取付けられません。

配管部分を避けたサイズの長方形の木枠にする?
ー 配管部分のところで植栽が途切れて、かっこ悪い×

配管部分の下の高さに揃えて、植栽を取付ける?
ー 天井と壁に隙間があるのが逆に目立って、かっこ悪い×
ー 天井と壁に隙間なく植栽を取付けることで、
店内の天井の低さを感じさせないようにしたい
 

さて、私が考えた解決策はこちらです。

解決策:配管部分のみを避けた木枠にしました。

これで、植栽を壁一面に取り付けることができました。

綺麗に収まり安心しました。
今回の変更は、現場にいらっしゃた大工さんに
カットしてもらいました。
大工さんの手にかかると、
あっという間に綺麗に仕上がりました。

お客さまの目線の高さを意識して

前述でお伝えしたように、下がり壁=梁下に立ったら、
頭上スレスレ。それもそのはず、梁の上の上はJRの線路、
すなわちお店は高架直下。その割に揺れないし静かです。
テーブルに着いたお客さまからも、至近距離です。そして
店舗の入り口や通りから、よく見える目線の高さです。

そのあたりを意識して、垂直植栽を制作しました。

課題と解決策に分けてみます。

課題:店舗の入り口や通りから見える目線の高さであり、
 テーブルのお客さまから至近距離にある。

店舗の入り口や通りから、よく見える目線の高さ
ー つまり、お客さまの店内に対する印象を決定する。
ー お店に入りたい・入りやすいとお客さまに
  思ってもらえるような雰囲気を演出する。
ー 配管類を自然な茂りで隠し、印象を柔らかくする。
 

テーブルのお客さまから至近距離
ー リアルさに徹して、丁寧に仕上げる
ー 隙間なく密に植え込み、造り物と思わせない工夫を
ー 垂直植栽は、限りがある床面を占有することなく
  緑の演出ができる

解決策:店内入口から見える顔の部分は、照明をうまく利用して
    存在感を出しました植栽にスポットを当てると、
    周辺の下がり壁や配管類には目が行きにくくなります。
    
    店内を移動し、テーブルに着いたお客さま目線で、
    まずは植物を密に手植えし、工業製品ではあるけれど、
    植物のより自然な動きや見えを意識してレイアウト

    しました。
    

植栽壁面は下がり壁だけではなく、店内の他の箇所
にも施しています。

その場所は、店内入口で通りに面している
caffè OSPITALE 名物菓子「スフォリアテッラ」が
並ぶショーケースの横壁です。

ここもストリートから意外と目につく場所です。
下がり壁とこの横壁に施すことで、印象強く、
ナチュラルな雰囲気を演出しました。

トミタリアによる空間デザイン | caffè OSPITALE 植栽編でした。

『空間デザイン | caffè OSPITALE ポスター編』として、
後日記事にしますので、お楽しみに。 

🇮🇹 ciao 🇮🇹