心を包み愛を届ける 04
ボンジョルノ☀︎トミタリアです。
パッケージデザインは、
贈り手の愛を届けること。
その第4弾。
スプーンは手塗り、
職人技の賜物
私がNUSSHA japanに携わり
デザインを手がけた商品のひとつに
『TOWERING(タワーリング)』
というシリーズ商品があります。
このシリーズのスプーンは、
マスキングして吹付け
塗装で彩色したのではない。
細く白い縁取りを残しながら
絵付け職人が、
筆一本でスーッと一気に楕円を描く
「至高の職人技」です。
TV東京「ガイアの夜明け」でも、
かなり印象に残る職人技の現代化でした。
後年ご高齢のこの職人さんは、
体調を崩されて絵付けをお辞めになりました。
もし同じ発注が来たとしても、
まったく違う出来上がりか、
或いは不可能という不本意極まりない
対応となるかもです。
彼の鮮やかな筆致は一見の価値があり、
お礼を述べたい気持ちでいっぱいです。
本当にお疲れさまでしたm(_ _)m
そして「ガイアの夜明け」は幻の写し絵、
幻のニューヨーク凱旋となりました。
これが21世紀に
日本各地の地場産業が抱えてきた
昭和第二世代の消失です。
パステル+アースカラーのボウルや皿。
入れ子になったうつわ同士のすき間が、
互いに染めあった微妙な色合いで、
その空気感が
【日本的である】
と高評価につながった。
木地は木粉樹脂、40%が木である。
軽く、熱伝導率が低いため、
熱くなりにくいプラスチックに
置きかわっていく食器の類に、
日本人の
好みと感性がきちんと表れている。
パッケージが日本の良さを伝える
パッケージが
この楽しさや、
白い縁取りの繊細さを表現し、
日本の良さを伝えます。
パリ1月デビューから
2度目の9月Maison&Objet国際見本市
9月出展から間もなく、
ニューヨークのMoMAからの
発注を頂戴しました(2005年)
山中漆器アイプラス社は、
NY近代美術に自社製品が
初めて並ぶことに興奮気味。
ミラノの私に
パッケージを即依頼→早速スケッチ
こんな感じとメールで
打診しました。
翌日には添付の試作が...
スゴい短期決戦
日本の本気モード、素晴らしい限り!
MoMAにはパッケージング含め、
納期にも大満足してもらえて、
愛を届けるお役目も一段落フーッ。
カラーリングや形状、サイズ感に
雰囲気は好評、売れ行きもしばらく絶好調…
しかし大変残念なご報告で恐縮なのですが、
木製の箸やスプーンを丁寧に選んでくれる
ユーザーは当時、
ごく少数派に過ぎません。
金属製カトラリーに敵わず、
自慢の塗りが剥げたり、
木地表面にヘコミとの報告を受けて、
結構みんなで凹みました。
努力だけでは乗り越えられない、
文化の壁につき当たった感じです。
おそらく
「寿司と箸」全盛の今は、
塗物扱い多少好転してるかもしれませんが。
経験させて頂いたすべてに深く感謝して。